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メタリカ歌詞勝手に解釈論
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『ST.ANGER』収録曲


01. Frantic
02. St. Anger
03. Some Kind Of Monster
04. Dirty Window
05. Invisible Kid
06. My World
07. Shoot Me Again
08. Sweet Amber
09. Unnamed Feeling
10. Purify
11. All Within My Hands


■FRANTIC   フランティック

この曲はおそらくジェイムズ・ヘットフィールドがアルコール中毒者のリハビリ施設で過ごしたことが
大きく影響した内容の歌詞になっているのではと推測。
歌いだしから人生の後悔から始まり、これから変わることができるのか自問自答しています。

「You live it or lie it」のlieの扱いに困ったのですが「放置する」でも「嘘をつく」でも
どちらでも解釈可能なのかなと思いました。ここでいうitが「人生の命題」だとしたら「現状放置」でも
「ごまかす」でもまっとうに生きることとは逆行してることになりますからね。(かなり勝手解釈

もうひとつ困ったところは最後の「A rising tide~」のところ。
直訳に近い訳にしましたが、途中に出てくる「Treading water full of worry」の部分と
対応していて不安でいっぱいになってあふれ出たような状態を表現しているのかなぁと。
そして「That pushes to the other side」はother sideを「あの世」と解釈すれば、
満ち満ちた不安によって自殺願望を抱くことをほのめかしているように思えます。

この曲のハイライトは何といっても耳に残る゛tick tick tick tick tock゛の部分でしょう。
無駄にした人生という時間が今こうしている間にも刻まれているということ。
さらにはそれに気付いて気が狂うほどに焦っている状態をうまく表現しているのではないかと思います。

考えるほど深い。。
意味をよく吟味して聞いてから、「Keep serching~」の部分が映画『Some King Of Monster』
のベーシスト探しのシーンで使われているのを観ると、「安直だなぁ」なんて思ったり(笑


メタリカ詩集

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■ST.ANGER   セイント・アンガー

「St.Anger」という造語は元々はカークがジェイムズに手渡した
聖クリストファー(St.Christopher)のペンダントからヒントを得たといわれています。

そもそも聖クリストファーのペンダントはサーファーの間でお守りとして使われており、
カークがジェイムズに「無事に帰ってこいよ」と渡した経緯があります。
(ホント無事にアル中から戻ってきてくれてよかった。)

「around one's neck」で「とても心配して」「気にかかって」という表現になりますが、
この歌詞ではペンダントとして「首にかかる」とした方が曲のできた背景から考えても
妥当といえそうです。他にいろんな含みをもたせているかもしれませんが。

「St.Anger」の訳も難しいところですが、冒頭に述べた造語の起源がわかっていれば
あえて「怒りの聖人」と訳さずともいいかと思い、そのままカタカナで訳しています。
「怒りをプラスのエネルギーに変える」というこのアルバム全体の主題を一語で言い表した
アルバムタイトルにふさわしい言葉ですね。

映画『SOME KIND OF MONSTER』のジェイムズの怒りっぷりを見た後では、
And I want~のくだりは本当にジェイムズが望んでいることなのかなと思わせます。
特にドアを思いっきり閉めるシーンとかコントロールがきいてないですから(苦笑)



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■SHOOT ME AGAIN   シュート・ミー・アゲイン

この曲は無料音楽ファイル交換ソフトを運営していたナップスターとの騒動から歌詞が書かれているようです。
映画『Some Kind Of Monster』のなかでもこの曲の製作過程が見れます。
著作権を主張しただけのつもりが無料で音楽ファイルを落としたファンを訴えたという論理にいつのまにか
すりかえられて、あらゆる方面から思わぬ非難を受けた頃の心境がうかがえますね。

もっともメタリカはナップスター騒動の前だってその音楽性やバンドイメージの変化のたびに賛否両論の波紋と
少なからず批判・非難を受けてきた実績をもっているので(苦笑)、ナップスターの件ばかりではないのかもしれませんが。

歌詞に目を向けると、shootやflames、bulletは全てバンドが受けた批判や非難のたとえと考えられます。
「I'm stranded and sold」で使われている「sold」。普通に考えたら「売られる」なんでしょうが
辞書では「be sold」で「一杯喰わされる、ひっかかる」といった意味でも載っていました。
この部分のライナーノーツの訳は「魂から出来ているんだ」というよくわからないものになっていますが、
おそらく聞き取って(soldとsoulを取り違えて)訳したものだからでしょう。

ちなみに最後の方に出てくる「Wake the sleeping dog」の一節ですが、
普通は「Don't wake a sleeping dog.」という表現で「事を荒立てるな」の意味で使われてます。
日本の諺では「寝た子を起こすな」、「触らぬ神にたたりなし」、「やぶ蛇」なんてのがありますね。


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■SWEET AMBER   スウィート・アンバー

この曲のポイントは「amber」の捉え方で、どうとでも解釈できるということです。
そもそも「amber」は女の子の名前でも使われますし、辞書的には「琥珀、琥珀色」、スラングでは「精度の低いヘロイン」
(精製が粗いため不純物が混ざって琥珀色に見えることからと思われる)とさまざまな意味を持っています。
女の子の名前と解釈すると「性悪女にダマされる歌」、ヘロインと解釈すると「麻薬中毒の歌」となりえそうです。

「Frantic」の解釈の流れから行けば、ここでは「琥珀色の液体」=「ウイスキー」と取るのが一番自然でしょう。
なんせジェイムズがアルコール中毒の原因となった直接的な要因はこれですから。
そうすると麻薬からの誘惑を描いた「Master Of Puppets」で使った擬人化テクニックが
またここでも登場するというわけですね。
※訳の中ではどうとでもとれるよう「amber」はそのままカタカナ表記にしました。

「chase the rabbit」は直訳すれば「ウサギを追いかけろ」ですが、意味のつながりがぶっ飛ぶので
辞書にある別の意味「臆病者」と解釈して訳しています。要は悪癖を克服できない自分への鼓舞ですね。
同様に「fetch the stick」も「棒切れをもってこい」だと「?」なので「体罰用のムチ」で解釈して
無理やり意訳しました(苦笑 正直この辺の解釈は自信がないです。(他にいい訳があれば是非教えてください)

あと、最後の方のペンが出てくる箇所、これは明らかにライナーノーツの訳は誤訳じゃないのかな・・・?
「trace」は「追いかける」じゃなくてトレース、つまり「敷き写す」という意味。
「draw」は「引きずり込む」じゃなくて「描く」。じゃないと何でペンが出てきたのかよくわからなくなります。
ただ自分でもうまく訳ができているかって言われると難しいんですが。

ちなみに出だしの一節は映画『Some Kind Of Monster』に出てきたように、一度受けたラジオ局のCMを
断ろうとしたときに「なんか(ラジオ局から)嫌がらせされるかな?」との問いにジェイムズがとっさに答えたもの。
これもメタリカが好きな一種の言葉遊びですね。



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