メタリカ写真
HATTALLICAのKirz氏、Hirofield氏、そしてメタリカのベテランファンでありコレクターのS氏と2014年のヨーロッパツアーの序盤の2公演(ストックホルム公演・オスロ公演)を観て来ました。ライヴ以外でもメタリカスポットや観光でも廻ってきていますので写真でご紹介。
3日目(2014年5月30日)
この日はいよいよ「By Request」ツアー初体験となるストックホルム公演。ホテルは朝食がついていないため、外食に立ち寄ってから会場に向かうことに。ミリタリーショップのマスコットやメタリカ掲載の雑誌広告を写真に収めながら歩くと、ちょうどブランチによさげな店が現れた。入った店は「Cafe Rossi」。スウェーデンと言えばミートボールということだったので、さっそくミートボールのセットを注文。さすが北欧価格というべきか、だいたい1,500円くらいと高めだが味は最高。しかし、店主いわく「俺はアルバニア人で、これはイタリア料理だ」とのこと(笑)。
食欲を満たしたところで会場の「STHLM Fields」徒歩で向かう。スウェーデン国旗の色した救急車やシャレオツな車を目にしながら歩くも天気は下り坂。100均のレインコートで雨をしのぎながら会場に着くと、すでに多くの人たちが列をなしている。どこに並んだらいいか、さんざん迷いながらどうにか入場リストバンド無しの列に並ぶことができた。それにしても寒い。。
お昼を過ぎて会場入り。まずはマーチャン売り場へ急ぐ。会場限定のTシャツの他、今回の「By Request」ツアーの北欧版・欧州版のTシャツ、大胆にバンドロゴの「M」をあしらったTシャツなどが並ぶ。前年のサマソニで来日時に背中にカタカナの「メタリカ」がプリントされたTシャツが話題になったが、欧州ツアーは昨年なかったため同じ柄の欧州ツアーバージョンTシャツ(背中には欧州ツアーで巡る地名がプリント)も見える。
雨が激しくなってきた。寒さしのぎと荷物を減らすのを兼ねて、雨をしのげる巨大テントのような場所で、買ったTシャツを全て着込んだ。そこには濡れた新聞が放置されていたが、これがイベントのパンフレットとして配布されていたものだったらしく、後で会場入口まで戻って取りに行くことになる。Kirz氏は最前列カーク側を狙うため、ここでいったんお別れ。この会場は2ステージ制。オープニングアクトのSPIDERSは、ポスターの見た目でてっきり男性ボーカルだと思っていたけど女性だったのね。
海外フェスではよく見かけるらしい斬新な男子トイレと貼られたポスターに目を奪われた後、長い待ち時間で空腹になったため、再びの腹ごしらえ。タイムテーブルを確認したら、いざメタリカ側のステージへ(今回は反対側のステージはあえて切り捨て)。飯を食べている間にGOJIRAのライヴが始まっていた。「飯を持ってステージエリアに入って来るな」とセキュリティに止められているうちにGOJIRAは終わってしまったけど。。
完食後にセキュリティをクリアして、スネイクピット外側の2列目をゲット。この場所はステージの位置が低くて、かなりメンバーに近づけるので外側から見るならオススメだ。スクリーンではMETALLICAが本日の「Vote Of The Day」の3曲を紹介し、投票を呼びかけていた。この日は「Whiskey In The Jar」「Wherever I May Roam」「The Four Horsemen」の3曲。早くも票数の途中経過が公開される。果たしてどの曲が選ばれるのか!?
そうこうしているうちにGHOSTのステージ開始。正直、今回の旅行が決まってから予習で知ったバンドだったが、見た目に反してなんとも聴きやすい曲をやってくれる。地元スウェーデンのバンドらしく、ときおりスウェーデン語のMCが会場を沸かせる。積極的にスネイクピットを使ってくれたおかげで、近くで観ることができた。
ボーカルのパパ・エメリタス2世の髑髏メイクと法衣は一見おっかないが、見慣れると何だかかわいい。写真には収められなかったが、ボーカル以外のメンバーが仮面をかぶっているせいでステージ上の水分補給がストローを使っていたため、ボーカルもときおりストローで飲んでいたのが最高に「萌えた」場面だった(笑)
ステージとステージの合間にはMETALLICAの「Vote Of The Day」の中間結果が小刻みに発表され、そのたびに歓声とブーイングが入り混じる。
反対側のステージのMASTODONが終わったら、次はいよいよSLAYER。開演前にはセキュリティの数も増えてきた。しかしセキュリティの面子は屈強な人たちというよりは近所に住んでそうなおばちゃんやバイトのお兄ちゃんといった風情。こんな人たちで大丈夫だなんて何とも平和だ。
スモークが焚かれ「World Painted Blood」でSLAYERのステージ開始。この日もほぼ押して押して押しまくるセットリスト。METALLICAまで体力を温存しておきたいところだが、身体は意に反して勝手に動く。GHOSTがスネイクピットをたっぷり使ってくれたのに対して、SLAYERは終始、通常ステージのみを使用。これはバンドとしてのプライドだろうか。
序盤でトム・アラヤの「Are You Ready!?」と曲名のシャウトで始まった「War Ensemble」で吐き気がするほど頭を振り、終盤に差し掛かり「Season in The Abyss」「Dead Skin Mask」でヘヴィでダークなノリに身を委ねる。ところがセキュリティへの一抹の不安が的中し、「Black Magic」演奏中にスネイクピット外側から闖入者が出現!しかし、メンバーはまったく動じず、闖入者はステージ上でセキュリテイにキレイな大外刈りをお見舞いされていた(苦笑)。「Die By Sword」のときにステージ後ろのフラッグが一度切り替わったが、最後の曲「Angel Of Death」でジェフ・ハンネマン追悼のフラッグにさらに切り替えるという泣かせる演出に鳥肌がたつ。こうして15曲のステージはあっと言う間に終わってしまった。
別ステージのDANZIG終演後、ついにMETALLICA。「Vote Of The Day」では、WhiskeyとHosemenが一票差という中間発表に「できすぎだろ(笑)」と思わずニヤリ。スネイクピット外側2列目を死守していたら、いつのまにか後ろは視界に広がる人、人、人。カウントダウンの後、「By Request」のVTRがスクリーンに流れる。YouTubeでこのVTRはすでにチェック済みだったが、やはりこれから始まるんだという興奮を高めてくれる効果は絶大だ。セットリストは、いきなりの「Battery」「Master of Puppets」と飛ばしにかかり、ロバートもさっそくスネイクピットの周りで暴れまわってくれた。「Master of Puppets」では十字架、「Welcome Home (Sanitarium)」では隔離療養所が出てくるなど映像演出も抜かりない。
スネイクピットではロバート、カーク、ジェイムズが順繰りに廻ってくれる。手を伸ばしてくれれば最前列は間違いなく手が届く。3D映画以上のシチュエーションだ。「The Unforgiven」「Fade To Black」でも映画『Metallica Through The Never』では観られなかった演出を目にできた。新曲「Lords of Summer」を演る前にジェイムズが「Vote Of The Day」の中間発表。Whiskeyはカバー曲、Horsemenもムステインがほとんどの作曲を行ったとあって、3曲のうち唯一ジェイムズが深く関わった「Wherever I May Roam」の票数の少なさを見たジェイムズは「Oh~Roam...」と泣き顔(笑)。
すっかり止んだと思った雨は「Fade To Black」で再び降り出してきた。気候的には暑くないとはいえ、水分補給をしないとさすがにきつい。そこで驚いたのはセキュリティが水分補給をしてくれること。口を大きく開けて待っていると水を注いでくれるのだ(写真参照)。日がなかなか暮れないこともあって明るい北欧ではパイロや花火は効果的でないのか使用せず。「One」や「Blackened」ではド派手な映像やレーザービームによる演出だった。それでも十分に圧倒される。
「By Request」ツアーで行われている現地チャプターによる曲紹介。メンバーだけではなしえない現地語での煽りは地元民を大いに盛り上げていた。これは英語圏でないところでやると効果的かもしれない。「Nothing Else Matters」の終わりにはジェイムズによるお決まりのギターピック見せで盛り上がった(この公演ではピックゲットできず)。スクリーンが血で埋まっていく「Creeping Death」で死ね死ね団になった後は「Vote Of The Day」で決まった「Whiskey In The Jar」。この曲はみんなでジャンプするのを初めて知って、戸惑いつつもジャンプ!ボールが飛んでくるエンディングの「Seek & Destroy」まで、最高のパフォーマンス、最高の音も含めて自分が経験してきたMETALLICAのライヴのなかでも(初メタリカなど思い入れの強さを除けば)一位の出来のライヴだった。とにかく来て良かった、観られて良かったという思いで満たされた。
大満足でホテルへの帰路につくも、やっぱり一杯飲りたい!パトカーや大阪のおばちゃんみたいな車の横をすり抜け、お店を探しに廻るもなかなか開いてる店がない。セブンイレブンも文字通り夜11時までだった。ようやく営業していて席も空いてる店を発見。なぜか馬の鞍のような椅子に座らされたものの、ここで飲んだビールは完璧なライヴの締めにふさわしい味だった。